ESG気候変動への取り組み
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GRI対照表 PDF (367KB)
気候変動に対する認識
「パリ協定」(2015年)、「IPCC特別報告書」(2018年)、「IPCC第6次評価報告書」(第一作業部会、2021年)などにおいて示されるように、気候変動の進行は科学的事実であり、気候変動の進行により、台風や豪雨の激甚化、熱波や干ばつの頻発、世界的な海面上昇の進行などの気象災害の発生、拡大が予想されます。
気候変動を緩和するための全世界的な取り組みとして、2050年までのネットゼロ達成の必要性は増しており、社会経済の脱炭素化への移行とその過程は本投資法人の事業に重大な影響を与える可能性があります。
気候変動がもたらすリスクと機会について識別、評価、管理を行い事業のレジリエンスを高めることは、本投資法人の持続可能かつ安定的な収益を長期的に確保するためにも必要不可欠な事項であると認識しています。
基本方針・コミットメント
本資産運用会社はパリ協定で定められた国際目標を支持し、気候変動の緩和に貢献するため、温室効果ガス排出のネットゼロ実現に向け取り組みを継続的に推進していきます。
TCFDへの賛同

本資産運用会社は気候関連課題に関する情報開示を推進するため、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を2022年12月に表明し、国内賛同企業による組織である「TCFDコンソーシアム」へ加入しました。
「TCFDコンソーシアム」は、企業による適切な情報開示や開示された情報をもとにした、金融機関等の適切な投資判断につなげるための取組について議論を行うことを目標として、気候関連課題に対する取り組みや関連情報の開示、情報の活用方法等に関する意見交換等を行っております。
TCFDについてはこちらをご覧下さい。
TCFDコンソーシアムについてはこちらをご覧下さい。
TCFD提言に基づく開示
ガバナンス
「気候変動・レジリエンスポリシー」に従い、本資産運用会社における気候関連課題に係る執行責任者は、サステナビリティ推進会議において、気候変動による影響の識別、評価、リスクと機会の管理、適応と緩和に係る取り組みの進捗状況、指標と目標の設定等の気候変動対応に関する事項を、気候関連課題に係る最高責任者(代表取締役社長)に対して、定期的に報告します。
関係各部から立案された気候変動に関する方針や目標および各種施策については、サステナビリティ推進会議において審議、検討した上で気候関連課題に係る最高責任者が決定します。
サステナビリティ推進会議での議論等については 本資産運用会社の取締役会および投資法人の役員会に定期的に報告します。
戦略
シナリオ分析の実施
気候関連のリスクと機会を特定し、それらが本投資法人の経営活動・戦略・財務計画に与える影響を識別・評価・管理するために、国際機関等が公表している以下の「シナリオ」を参照し、各シナリオ下での世界の変化を想定しながら、2050年における外部環境の変化と、それらが事業にどのような影響を及ぼしうるか検討しました。
1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ | |
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移行リスク |
IEA(国際エネルギー機関) World Energy Outlook2022 NZE2050 |
IEA World Energy Outlook 2022 STEPS |
物理リスク |
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル) 第6次報告書 SSP1-2.6 |
IPCC 第6次報告書 SSP5-8.5 |
4℃シナリオの世界観
現状を上回る気候変動緩和対策が実現せず、GHG排出量が増大し続け、気象災害による物理的リスクが増大するシナリオ

1.5℃シナリオの世界観
パリ協定目標の達成に向け、脱炭素のための社会政策、排出規制や技術投資等が現在以上に進み、相対的に移行リスクが高くなるシナリオ

リスク管理
リスク・機会の特定、財務的影響の評価及び取組み
本資産運用会社では、シナリオ分析を踏まえ、リスクと機会の特定とそれらの事業への影響を下表の通り評価しました。
※ | 財務的影響は財務指標に与える影響度を定性的に分析し、大、中、小の三段階で評価しました。 |
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分類 | 主なリスク・機会 | 本投資法人への財務的な影響 | 財務的影響 | リスク管理、対応策、取組 | ||||
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4℃シナリオ | 1.5℃シナリオ | |||||||
中期 2030 |
長期 2050 |
中期 2030 |
長期 2050 |
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移行リスク | 政策と法 |
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小 | 小 | 中 | 大 |
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小 | 小 | 大 | 大 |
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技術 |
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小 | 小 | 中 | 大 |
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市場 |
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小 | 小 | 中 | 大 |
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評判 |
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小 | 小 | 中 | 中 |
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中 | 大 | 中 | 大 | |||
物理的リスク | 急性 |
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中 | 大 | 中 | 中 |
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慢性 |
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中 | 中 | 小 | 中 |
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機会 | 製品・サービス |
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中 | 大 | 中 | 大 |
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市場 |
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小 | 小 | 中 | 中 |
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指標と目標
ポートフォリオからのGHG排出状況、および排出原単位は不動産セクターにとっての重要指標であるため、Scope1,2,3排出量について、GHG排出削減ポリシーに従いモニタリングし、継続的な削減に取り組みます。
目標
- 2050年までのネットゼロ達成
- GHG排出量を2030年までに50%削減(2016年比、原単位ベース)